〒247-0074 神奈川県鎌倉市城廻105-9(JR大船駅から徒歩30分)
受付時間
特殊車両通行許可の申請方法には
・窓口で申請を行う方法
・インターネット経由でオンライン申請を行う方法
があります。
この両者を比較すると、圧倒的にオンライン申請を使うことが多く、一定の条件の際に窓口申請を行う方がほとんどではないでしょうか。
今回の記事では特殊車両通行許可専門の行政書士が、オンライン申請のメリット・デメリットについて解説していくのですが、結論から先に申し上げますとメリットは多くデメリットはほぼありません。
このシステムは「特殊車両通行許可オンライン申請システム」と呼ばれ、平成16年から国土交通省がサービスを開始しました。
難解で複雑な特殊車両通行許可申請の手続きを簡素化し、もっと早く世の中に広めていきたい。といった国の考えと利用者のニーズは合致し近年、大幅に利用者数が増えています。
このオンラインシステムでは必要書類の作成・申請・受付・許可証の受取まで全てインターネット上で行えますので非常に便利なシステムとなっており、ある程度パソコンを使える方であれば利用しない手はありません。
それではオンライン申請のメリットを見ていきましょう。
オンラインシステムを使うと、インターネットが繋がる状況でパソコンさえあれば、24時間いつでもどこでも書類作成・申請・受け取りまで行うことが可能で、手数料の支払いや審査の進み具合の確認などもできます。
行政書士は仕事の特性上、昼間は役所などに出向くことが多くなりますから、行政が稼働していない時間帯に申請が行えるのは本当に助かります。ここが一番大きなメリットと言えるのではないでしょうか。
窓口申請であれば直接、窓口に行かなければできない申請もオンライン申請であれば行く必要はありません。時間や交通費など様々なコストを短縮できるので、こちらも大きなメリットであると言えます。
個別審査がないケースであれば、審査期間が大幅に短縮され許可の交付を受けることが可能です。
個別審査とは、申請車両諸元が算定要領に定められた範囲を超える場合および道路情報便覧に蓄積されていない道路を通行する場合、さらに精度の高い技術的審査を個別に行うことをいいます。
出発地、目的地などは未収録道路となることも多く、個別審査が1つもない経路はそこまでありませんが、全て収録道路で完結する経路であれば審査期間は大幅に短縮されます。
過去の申請データが再利用できますので、変更・更新申請など申請書の作成や経路作成などを簡単に行うことができます。
申請データ作成時に入力した内容から、個別審査の有無や経路の通行条件を確認することができますので、不許可にならないよう申請データを修正していくことが可能です。
オンラインシステムでは申請書作成時に車両情報や積載物など詳細なデータ入力を行うのですが、適合しない数値など簡単な間違いがあった場合、システム上でエラーチェックを行ってくれます。
紙の申請書であれば修正に時間はかかりますし、窓口に行ってから指摘を受け、再度行かなくてはならないようなことは起きません。
次はオンラインシステムのデメリットを見ていきましょう。
冒頭でも書いたのですが、実際のところオンライン申請のデメリットは全くと言っていいほどありません。ただ、注意点として気を付けなければならないのは「どんな場合でもオンライン申請できる訳ではない」ということです。
一体、どういったことなのでしょうか?
・国が管理している道路(国道)を走行するときのみオンライン申請が可能
実は道路には色々な種類があり、管理している道路管理者が国であったり(国道)、県であったり(県道)、市であったり(市道)します。
オンライン申請は国が管理する国道を通行する場合にのみ利用可能となりますので、国道を通行することなく、県道や市道のみを通行して出発地から目的地までの経路が完結してしまえば、オンライン申請の対象となりませんので窓口申請を行うこととなります。
・新規格車(増トン車)は、原則としてオンライン申請することができません。
新規格車は自由に通行できる道路が多いため、申請を受け付ける窓口が少なくなります。
国が管理者となる国道の多くが重さ指定道路となっているため、新規格車は特殊車両通行許可を取得する必要がないからです。結果的に国道事務所への許可申請が必要なくなるため、前述した国道を通行する場合にのみ利用可能となるオンライン申請はできなくなります。
新規格車について詳しく知りたい方は
・特殊車両の新規格車とはの記事を読んで頂けると、より理解が深まると思います。
今回の記事では特殊車両通行許可のオンライン申請のメリット・デメリットについて解説していきました。
オンライン申請は行政としても推進していますし、この記事をじっくりと見て下さった方であればもうお分かりのように、とても便利で使い勝手のよいシステムとなっています。
使い始めたばかりの頃は操作方法などで少し戸惑うこともあるとは思いますが、慣れてくると圧倒的に業務効率が上がります。
皆さんもオンライン申請をどんどん使って、特殊車両通行許可の制度をもっと世の中に広め、運送業界を盛り上げていきましょう!