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基準緩和申請とはどのような制度なのでしょうか。
本記事では、正式名称である「基準緩和認定申請」の制度趣旨、対象車両、
特殊車両通行許可との違いについて、
道路運送車両法や国土交通省の認定要領を基に行政書士が解説します。
一般に「基準緩和申請」と呼ばれることが多い制度ですが、正式には基準緩和認定申請といいます。
基準緩和認定申請とは、道路運送車両法に基づき、構造又は使用の態様が特殊な自動車について、道路運送車両の保安基準の一部について適用除外又は条件付き適用を認める認定を受けるための手続きです。
通常、公道を走行する自動車は、道路運送車両法や道路運送車両の保安基準に適合していなければなりません。
しかし、建設機械や特殊用途車両の中には、その構造や使用目的から、一般的な自動車と同じ保安基準をそのまま適用することが難しい車両があります。
このような車両について、安全性や公害防止性能を確保できることを前提に、一定の保安基準について緩和を認める制度が基準緩和認定制度です。
ここで重要なのは、基準緩和認定申請は「道路を通行する許可」ではないという点です。
基準緩和認定は、あくまで車両そのものについて、保安基準上の取扱いを認定する制度です。
そのため、基準緩和認定を受けた車両であっても、道路法上の一般的制限値を超えて道路を通行する場合には、別途、特殊車両通行許可が必要となることがあります。
基準緩和認定制度は、「大型車両だから受ける制度」ではありません。
対象となるのは、構造又は使用の態様が特殊であるため、通常の保安基準をそのまま適用することが適当でない自動車です。
例えば、建設現場で使用されるクレーン車や、重量物輸送に使用される特殊な被けん引自動車などは、一般的な貨物自動車とは構造や用途が異なります。
これらの車両に一般の自動車と同じ基準をそのまま適用すると、車両本来の機能を発揮できない場合があります。
一方で、公道を走行する以上、安全性や公害防止性能を確保する必要があります。
そこで、国土交通省では、必要な条件や制限を付したうえで、保安基準の一部について緩和を認める制度を設けています。
つまり、基準緩和認定制度は、単に規制を緩める制度ではありません。
特殊な構造や用途を持つ車両について、安全性を確保しながら適法に使用できるようにする制度です。
基準緩和認定の対象となるかどうかは、車両の大きさだけで決まるものではありません。
車両の構造、用途、使用の態様、緩和を受けようとする保安基準の内容などを踏まえて判断されます。
代表的な対象車両としては、次のようなものがあります。
例えば、ラフテレーンクレーンやオールテレーンクレーンは、建設現場での作業を目的とする自走式クレーンであり、一般的な貨物自動車とは構造や用途が異なります。
また、重量物運搬用のセミトレーラなどは、輸送する貨物や車両構造の関係で、通常の保安基準と異なる取扱いが必要になる場合があります。
ただし、これらの車両であれば必ず基準緩和認定の対象となるわけではありません。
実際には、車両ごとの構造や使用形態、緩和を受けようとする保安基準の内容を確認したうえで判断されます。
基準緩和認定申請と特殊車両通行許可は、どちらも大型車両や特殊な車両に関係する制度ですが、目的が異なります。
両者の違いを整理すると次のようになります。
| 項目 | 基準緩和認定申請 | 特殊車両通行許可 |
|---|---|---|
| 根拠法令 | 道路運送車両法 | 道路法 |
| 対象 | 車両そのもの | 道路の通行 |
| 主な目的 | 保安基準の一部について緩和認定を受ける | 一般的制限値を超える車両が道路を通行する |
| 審査する機関 | 地方運輸局等 | 道路管理者 |
| 主な確認内容 | 車両構造、安全性、公害防止性能など | 車両諸元、通行経路、道路構造など |
| 取得後の効果 | 車両の保安基準上の取扱いに関する認定 | 許可された経路を通行できる |
簡単に言えば、基準緩和認定申請は「その車両を保安基準上どう取り扱うか」を確認する制度です。
一方、特殊車両通行許可は「その車両がどの道路を通行できるか」を確認する制度です。
したがって、基準緩和認定を受けたからといって、道路法上の制限を超えて自由に道路を通行できるわけではありません。
また、特殊車両通行許可を取得したからといって、道路運送車両法上の保安基準の問題が解決するわけでもありません。
この2つの制度は、似ているようで役割がまったく異なります。
基準緩和認定申請と特殊車両通行許可は、それぞれ目的が異なる制度です。
そのため、基準緩和認定を受けた車両であっても、道路法上の一般的制限値を超える場合には、特殊車両通行許可が必要になります。
この点は、建設会社や運送会社から最も多くいただくご質問の一つです。
例えば、ラフテレーンクレーンやオールテレーンクレーンのように基準緩和認定を受けている車両であっても、通行する際の車両諸元が一般的制限値を超える場合には、特殊車両通行許可の対象となります。
反対に、基準緩和認定を受けていても、一般的制限値以内で通行できる車両であれば、特殊車両通行許可が不要となる場合もあります。
したがって、基準緩和認定の有無だけで特殊車両通行許可の要否を判断することはできません。
車両の寸法や重量、通行経路などを確認したうえで、それぞれの制度に照らして判断する必要があります。
基準緩和認定申請は、一般的に次のような流れで進みます。
まず、車両の構造や用途、緩和を受ける必要がある保安基準を確認します。
認定申請書のほか、図面や諸元表など、認定要領で定められた書類を準備します。
管轄する運輸支局等を経由して申請を行います。
提出書類を基に、保安基準の適用を緩和しても安全性が確保できるか審査されます。
認定後は、認定内容に基づき車検や登録などの手続きを進めます。
なお、認定後に道路法上の一般的制限値を超えて道路を通行する場合には、特殊車両通行許可が必要となる場合があります。
申請する車両や認定内容によって異なりますが、主な書類として次のようなものがあります。
必要書類は、車両の種類や緩和を受けようとする保安基準によって異なります。
事前に認定要領や管轄する運輸支局へ確認することをおすすめします。
Q1 基準緩和申請と基準緩和認定申請は違う制度ですか。
いいえ。
一般には「基準緩和申請」と呼ばれることが多いですが、正式名称は「基準緩和認定申請」です。
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Q2 基準緩和認定を受ければ特殊車両通行許可は不要ですか。
いいえ。
基準緩和認定は車両に関する制度です。
道路法上の一般的制限値を超えて道路を通行する場合には、別途、特殊車両通行許可が必要になることがあります。
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Q3 大型車はすべて基準緩和認定が必要ですか。
必要ありません。
車両の構造や使用の態様、適用を受ける保安基準などにより判断されます。
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Q4 特殊車両通行許可だけ取得すればよいですか。
いいえ。
車両によっては、道路運送車両法上の基準緩和認定と道路法上の特殊車両通行許可の両方が必要となる場合があります。
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Q5 行政書士へ依頼するメリットはありますか。
基準緩和認定申請と特殊車両通行許可は、根拠法令や申請先が異なります。
両制度を理解したうえで手続きを進めることで、重複した手続きや申請漏れを防ぐことができます。
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基準緩和申請(正式名称:基準緩和認定申請)は、道路運送車両法に基づき、構造又は使用の態様が特殊な自動車について、保安基準の一部の適用を緩和する認定制度です。
一方、特殊車両通行許可は道路法に基づき、一般的制限値を超える車両が道路を通行するための許可制度であり、両制度は目的が異なります。
建設機械や重量物運搬車両では、基準緩和認定申請と特殊車両通行許可の両方が必要となるケースも少なくありません。
どちらの手続きが必要かは、車両の構造や用途だけでなく、通行する道路や車両諸元なども踏まえて判断する必要があります。
お問い合わせ
基準緩和認定申請や特殊車両通行許可は、車両の構造や用途によって必要な手続きが異なります。
「自社の車両にはどの手続きが必要なのか分からない」「基準緩和認定と特殊車両通行許可をまとめて相談したい」という場合は、お気軽にお問い合わせください。
車両の仕様や運行内容を確認したうえで、必要となる手続きをご案内いたします。
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